作品詳細

中国北京市における双泉堡地区の設計 - 下水処理場を核とした環境啓発施設の提案 - 

氏名
松井 創斗
所属
日本大学大学院 理工学研究科 海洋建築工学専攻
研究室
佐藤信治研究室

作品概要

現在、中国において深刻な水問題が顕在化している。北京は世界の大都市の中でも類を見ない渇水地域であり、多くの水資源を地下水脈に依存している。降水量が低下し続ける一方で人口が増大した結果、地盤沈下が発生し、さらに地下水脈の9割が汚染されているという深刻な状態である。また、増え続ける環境問題の多くは環境教育水準の低さから引き起こされ、大気汚染や食の問題等、日本にも多大な影響を及ぼしている。これらの問題は、文化大革命を経て、後の経済発展に伴い引き起こされたものであり、成長と共に古くからその土地に根付く思想の多くが失われ現在に至る。
 本計画では、成長に伴い失われて来た「自然環境と共に生きる文化」を再確認することを目的とし、汚水処理場の建設による物理的な水不足解決と共に、再生水を利用した環境啓発施設を設計する。さらに、地区全体のランドスケープ計画を行い、「開発と同時に水資源を考える設計」を行う。処理場から生まれる再生水、汚泥によるレンガや肥料、そして下水熱などが様々なシーンで生活の基盤となり、水を通じた街全体の繋がりを創出する。
 「現代の技術」を取り入れながら「古くからこの風土にある考え方」を活かして設計をする事で、水や空気、そして街自体を浄化し、さらに、国民の意識までを再生していく事を目指した計画とする。
プロフィール
松井 創斗
2007年 日本大学豊山高校卒業
2011年 日本大学理工学部海洋建築工学科卒業
2013年 日本大学大学院理工学研究科海洋建築工学専攻修了
株式会社松田平田設計勤務(予定)

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