作品詳細

宅地細分化に伴う住宅群更新のケーススタディ
- 洗足田園都市 小山7丁目における住宅地の段階的個別建て替えシステムの提案 - 

氏名
村山 寛子
所属
日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
研究室
佐藤光彦研究室

作品概要

 豊かな住空間とは関係の選択肢が多い空間であると考える。本計画は宅地細分化に伴って、住宅が敷地内だけで閉鎖的に計画され、高密化している現状に対して、自ら外部との関係を選択していくことのできる、個別建て替えシステムの構築により、良好な住空間を作り出すことを目的とするものである。
 地上レベルは外部空間との一体的な利用や、住戸間の関係をつくり出すために、できるだけ開いた作りとする必要があると考えた。そこで大勢が集ってお茶を楽しむような、開けた「ひろま」空間として定義づける。セットバック距離の調整、外部生活空間のたまり、敷地境界線の延長、ワンルームの構成、レベル差、プライベートをコントロールする素材、戸による外部空間との連続性の創出といった手法を用いて設計を行った。教室やSOHOなど、開けた住宅機能を展開することができる。外部と連続した「ひろま」が人々の関係性を多様なものにしていく。
 2層レベルはプライバシーを確保した作りとしながら、いかに開いた空間をつくるかが重要であると考えた。そこで静かにお茶をいただくような、「こま」空間として定義づける。「こま」は個室で構成されており、抜けの方向性の調整、周辺環境から屋根勾配を決定するといった手法を用いて設計を行った。
 それぞれの欲求を満たすためではなく、ささやかなルールのもと、譲り合いながら戸建住宅を建てることで、より豊かな住空間を作り出すことができると考える。
プロフィール
村山 寛子
1988年 東京都生まれ
2013年 日本大学大学院理工学研究科建築学専攻 修了
現在   大和ハウス工業株式会社 勤務

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