1989年(平成元年)横浜生まれ | |
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2007年 | 麻布高校卒業 |
2011年 | 東京大学工学部建築学科卒業 |
2013年 | 早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻修士課程 (石山修武研究室)修了 |
現在 | 石山修武研究室 所属 |
異形の現在:・創作論序説「螺旋的思考とその模型について」
・設計計画「20XX年、新天皇即位に際する迎賓・観光施設及び祭儀の提案」
- 氏名
- 佐藤 研吾
- 所属
- 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 石山修武研究室
作品概要
今回の修士計画が自身の思考の組み立ての成果自体としてあるべきと考え、2つのプロジェクトを提出した。
創作論では、情報が氾濫する「現在」における、場所も歴史も超えた事物群の横断的連関を発見し一本の思考の軌跡を描き直す手法=「螺旋的思考」から自身の立脚点を構築する。
向かうべきは茫洋な不安感を漂わせる「現在」という停滞する状況自体であり、そこでは停滞を受容し、他律的変転と、自身を含めた無感動な社会集団を認めなければならない。それが創作の命題だからである。一方で、私は今回の修士計画に取り組む前に、ネイティブ・アメリカンのある部族が主催するコンペに参加した。そうした先住民の人びとの接触の一方で、一元的支配のシンボルでもある日本の天皇の存在に今触れるのは、それら異なる世界の間の大きな衝突を自身の内部に抱えなければならなかったためであった。
今回、設計計画では「日本」の中枢にある天皇制をその具体的対象として設定し、近い将来不可避な新天皇即位に伴う社会の躍動への介入と内実の改変を、祝賀祭儀の設計をもっておこなう。
天皇の巡幸行為もまた、情報を発信する一つのメディアであり、中心が空虚な東京・日本の文化構造を写し出す鏡像である。天皇の移動=メディアに対応して、皇居前広場及び行幸通りを舞台に、過去の神話的形象の移動と、人びとの巡回運動の交錯を演出し、個々人の想像的視座を根拠とする情報拠点の仮設を試みる。
創作論では、情報が氾濫する「現在」における、場所も歴史も超えた事物群の横断的連関を発見し一本の思考の軌跡を描き直す手法=「螺旋的思考」から自身の立脚点を構築する。
向かうべきは茫洋な不安感を漂わせる「現在」という停滞する状況自体であり、そこでは停滞を受容し、他律的変転と、自身を含めた無感動な社会集団を認めなければならない。それが創作の命題だからである。一方で、私は今回の修士計画に取り組む前に、ネイティブ・アメリカンのある部族が主催するコンペに参加した。そうした先住民の人びとの接触の一方で、一元的支配のシンボルでもある日本の天皇の存在に今触れるのは、それら異なる世界の間の大きな衝突を自身の内部に抱えなければならなかったためであった。
今回、設計計画では「日本」の中枢にある天皇制をその具体的対象として設定し、近い将来不可避な新天皇即位に伴う社会の躍動への介入と内実の改変を、祝賀祭儀の設計をもっておこなう。
天皇の巡幸行為もまた、情報を発信する一つのメディアであり、中心が空虚な東京・日本の文化構造を写し出す鏡像である。天皇の移動=メディアに対応して、皇居前広場及び行幸通りを舞台に、過去の神話的形象の移動と、人びとの巡回運動の交錯を演出し、個々人の想像的視座を根拠とする情報拠点の仮設を試みる。