地球環境の変化に対応した建築・都市システムの構築
- 海水面の上昇により水没するTokyo-BayArea に於ける試案 -
- 氏名
- 平野 健太郎
- 所属
- 関東学院大学大学院 工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 湯澤研究室
作品概要
今、世界は危機に瀕している。
地球温暖化が叫ばれる昨今、海水面上昇が1 つの大きな問題となっており、気候変動に関する政府間パネル(英語:Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC)の第4次報告書では2100年までの海水面上昇量は、最低18-59cmの上昇されている。さらにIPCC 第4次報告書(AR4) 以降の氷床等の融解速度の変化を考慮した報告では、今世紀中の海面上昇量が1-2mを超える可能性が複数のグループによって指摘されている。また、2100年以降も氷床の縮小は進行するが、その後グリーンランド氷床が完全に消滅すると海水面水位は7m上昇すると見込まれている。
このように、AR4 以降の見解に関しては様々であるが、例えば日本で1m 海水面が上昇した場合、海面下となる土地面積は2339平方キロメートルであり、そこに住む人口は約410万人ともなる。
本研究では海水面上昇によって水没する東京湾臨海部の上空に対して新たな都市を構想し、その建築・都市システムの構築を行うことを目的とする。こうした目的の為、1960年代に高度経済成長期当時の日本の人口増加と都市の急速な更新、拡張に応える為に提唱されたメタボリズムを応用する。メタボリズムは社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長、新陳代謝する都市や建築の提案であるが、それを具体化した様々な計画や作品を分析し、それらにおけるメタボリズムのシステム、要素を抽出し、本計画にフィードバックする。