作品詳細

『動線に内在する言葉』 - 緩衝動線を用いた関係性の提案 -

氏名
中川 達也
所属
芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻
研究室
堀越英嗣研究室

作品概要

単純動線から『緩衝動線』へ...

動線に意識を置いて設計することで現代のグローバリズムや経済性に食いつぶされない多様性を建築の内部空間や外部に取り戻すことを考えました.
『緩衝動線』とは私の造語であり,本論では内⇔外,都市⇔身体,公共⇔個人などの緩衝剤として互いをつなぎリズムを与え,滞留空間だけでは生み出されない界隈性のようなものを作り出す動線空間と定義しています。そのような動線を建築設計の中で,もちいることがグローバリズムや社会からの複雑な要求によって場所性や地域性が希薄になりつつある都市建築を見直すきっかけになると考えました.

本論において動線空間に特徴のある45の実例作品を分析した結果,ほぼ全ての動線空間が一定の動線周長(表面積)を獲得することが分かり,その周長を獲得する為の動線空間における形態的手法を大まかに5つの類型にまとめました.

そして,5つの類型について建築の持つ地域性,界隈生,場所生の視点から再度,45作品にたいし注意深く分析を重ね,それらを活かした2つの設計提案(書店,集合住宅)を行いました.

動線を緩衝空間として認め再度建築設計を見直すことで現代において淘汰された建築本来のノイズ的な要素や多様性を取り戻すことができるのではないでしょうか?

『動線に内在する言葉』 - 緩衝動線を用いた関係性の提案 - 『動線に内在する言葉』 - 緩衝動線を用いた関係性の提案 -
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(PDF:5.3MB)