キャラクターキューブ
- 氏名
- 大崎 雄太
- 所属
- 多摩美術大学大学院 環境デザイン学科 建築専攻
- 研究室
- 松澤穣研究室
作品概要
私はこれまで建築などの作品を制作する際に、一貫した癖があると感じていた。それはエスキースの段階で、まず形をつくろうとする上で決まって幾何学の形態に落とし込んでしまおうとする癖である。とくに私は正方形や立方体などの四角い形態を多く使う傾向があった。そして大学院に入り、正方形や立方体に頼ってしまう傾向、手癖は、必ずしも悪いことではなく、むしろその形態に私自身が大きな魅力を感じているのではないかと考えるようになり、今回のキャラクターキューブという作品を制作した。
キューブは球や正四面体などと並んで極めて抽象的で純粋な幾何学モデルである。建築は設計の過程で次第に幾何学から遠ざかり不純化していくが、にも関わらず古来より、特に近代以降は多くのキューブが用いられてきた。それはおそらくキューブという形態に、私だけではなく少なくともキューブを設計などに取り入れている人にとっては、この単純な形態に美しさなどの魅力を感じさせる力があるからだと考えている。
まず私は、様々なバリエーションを持つキューブをつくろうと思い、50音順で42個の形容詞からキューブの形を考えた。この時点では建築をつくるという考えを一度捨てて、キューブという形態の持つ特性と、形容詞から来るイメージからつくっている。そしてそこから生まれた42個のキューブから、建築として機能を持ちそうなキューブを選択し、それらに建築的な機能を与えていった。