作品詳細

歴史的文脈と商業論理に基づく空間構成 - Adolf Loosの多様性と対立性の抽出を通じて -

氏名
金沢 将
所属
東京理科大学大学院 工学研究科 建築学専攻
研究室
坂牛研究室

作品概要

本研究はモダニズム建築家アドルフ・ロースの多様性と対立性を生み出す空間構成手法の抽出、及びそれらの現代社会への活用を主旨とした。
「装飾は犯罪である」。このフレーズにより、ロースは簡潔性におけるモダニズムの先駆けと理解されがちである。しかし、複数の論者が対概念である多様性と対立性がロースの建築に内在すると言及している。そこで本研究では、これらの言説を図面より、具体的な形態と数値を通し、実証した。
多様性と対立性を生み出すラウムプランの3特性である垂直性、劇場性、内向性を基に5つの観点からラウムプランの実作に分析を行い、これらの結果を応用し設計を行った。

対象敷地を神宮前交差点の南東側角地とし、当該敷地の歴史的文脈と商業論理(ブランド・アイデンティティ)を明確化する建築を目指した。当該敷地の歴代建築の材料と機能を参照することで多様性を生み出す。そして、分析結果を現代へと適合し、均一グリッドへの移動空間の挿入、構造的家具、劇場性空間、同サイズの窓という構成を基に歴史的文脈とブランド・アイデンティティの多様性と対立性を明確化した。また、分析結果の現代へと適合することは、ただのロースの模倣ではない構成を生み出した。

モダニズムに埋没したロースの多様性と対立性は、それを必要とする現代の中でリバイバルされる。

歴史的文脈と商業論理に基づく空間構成 - Adolf Loosの多様性と対立性の抽出を通じて - 歴史的文脈と商業論理に基づく空間構成 - Adolf Loosの多様性と対立性の抽出を通じて -
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