関係発達論に基づいた小児病棟の設計
- 年齢により変化する対人関係に着目した聖路加国際病院における慢性期患児のための療養空間の提案 -
- 氏名
- 矢板 悟
- 所属
- 日本大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
- 研究室
- 佐藤光彦研究室
作品概要
子供は他者との関係の中で居場所を確立し、成長していく。他者との距離感が一定な現状の病棟ではなく、患児自身が他者との関わり方と人数を調整する事が可能な病棟を計画する事で、居場所を形成する事が可能な療養空間を計画する。
子供が関係性によって成長すると考える関係発達論を基づき慢性期療養空間における子供の居場所を設計する。子供の年齢によって必要な空間や人間関係は変化して行く。しかし、現状の病室ではベッドは変化していくが、部屋自体が変わっていくことは無く、患児は病床に引きこもり、他者との距離は一定となる。関係発達論による他者との関係性のあり方基に、病床に周辺の患児との関わり方に選択性を持たせ、患者が他者との距離感を自由に設定すること可能な療養空間を設計する。患児は開き方が異なる部分をもつ病床と行為別に分割された共有空間を持つ病棟で生活する事で、他者との関わり方を調整できるようになる。
それらの関係性を認識的境界によって分割していくことで室として患者諸室を完全に閉じる事は望まれない病棟において閉じることなく関係別、行為別に空間を分ける事ができる。
子供たちが自主的に他者との関係の中で居場所を見つける事ができる病棟を設計した。