Gallery作品詳細
瞬刻に置かれるプンクトゥム
- 氏名
- 石川 岳
- 所属
- 芝浦工業大学大学院
理工学専攻科 建設工学専攻 - 研究室
- 建築デザイン研究室
- 作品概要
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ある建築を思い出すときには、実際に見た姿ではなく、 本に載っていた建築写真から得たイメージを頭に思い浮かべることは多いであろう。シンボリックな建物は人を魅了する。そのような建築の写真は、メディアに露出し、都市に対してアイコン化されたが故に飽きられてしまう、あるいは街に弊害をもたらすこともあるだろう。私は瞬間というものに着目し、ある一点でしか視覚的に成立しない建築風景、そして、ある一点から動き出すと視覚で認知されていたその予想を裏切るような建築を提案したいと考えた。そこで本研究では空間に対するイメージの構成・知覚についての原理と、写真と建築のメディア化の発展について明らかとした上で、視覚的なトリックを用いた二次元アートや、三次元アートの手法を分析し、錯視表現手法を抽出した。そして抽出した表現手法の組み合わせのパターンから「歪み」を生み出す建築設計ガイドの「ディストニオン」を考案した。建築設計では考案した建築設計ガイドを元に、渋谷のシンボルとも言える「SHIBUYA109」の建て替えを計画した。この建築は人々の固定されたイメージに対して、画面に表出する小さな違和感と、それを確証させる体験(イメージの崩壊)を生み出し「驚き」を与える建築となるだろう。それはシンボリックな建物に時代とともに定着していく、通例化したイメージ対する打開策ともなりうるのではないだろうか。
プロフィール
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略歴
- 1994年
- 茨城生まれ
- 2013年
- 茨城キリスト教学園高校 卒業
- 2017年
- 芝浦工業大学 デザイン工学部 卒業
- 2019年
- 芝浦工業大学大学院 建設工学専攻 修了