Gallery作品詳細

建築エレメンントの慣習性に関する考察および設計提案

氏名
大橋 弘明
所属
首都大学東京大学院
都市環境科学研究科 建築学域
研究室
小林克弘研究室
作品概要

 建築の全体は様々な要素が組み合わされて成立している。この要素の捉え方には様々なものがあるが、その一つとして「壁」や「屋根」など、建築を物理的な構成要素の集合とするものがある。この物理的な構成要素である「エレメント」は長い時間をかけ、文化的、社会的な要因、環境への対応などにより形成され、豊かな背景を有している。しかし我々が建築や都市を経験する際、逐一それを構成するエレメントに意識を向けることは少ない。逆説的ではあるが豊かな背景を有するにもかかわらず、日常にありふれたものとなったため、慣習化され意識されない存在となっているのである。つまりこのエレメントに対する無意識化、意識の自動化を回避することにより、エレメントが有する様々な背景に対して目を向けることができる。本研究は無意識化を回避する一つの方法として、「エレメントの慣習性からの逸脱」に着目し設計提案を行うものである。「新建築住宅特集」を対象とした分析により、16の手法を抽出、類型化を行った。その結果を元に、郊外住宅地を敷地として二世帯住宅の設計を行った。エレメントが慣習とは異なる働きをすることにより、部分の持つ意味や機能が発見的に書き換わっていく豊かな空間が創出できることを示した。

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プロフィール

  • 略歴
    1994年
    栃木県生まれ
    2017年
    首都大学東京 都市環境学部 建築都市コース 卒業
    2019年
    首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域 修了