Gallery作品詳細
北園克衛記念館計画
- Aspects of the Danteum -
- 氏名
- 大谷 拓嗣
- 所属
- 千葉大学大学院
融合理工学府 創成工学専攻建築学コース - 研究室
- 岡田哲史研究室
- 作品概要
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「建築は、私の精神が抱いた最初の愛情の中に大きな地位を占めていた。私の青年期は建築するという行為を熱烈に空想した。」(Paul Valery)
本計画の意義は現代におけるナラティブな建築空間について再考することにある。
第一部において、ジュゼッペ・テラーニによるダンテウム計画案を構成する物質体系とその遷移に着目した分析を行う。具体的に、①デザイン体系の把握、②エレメント配列法、③シークエンスと言説、の形式から空間へと至る三つの観点より分析し、その内観的なるものを構造化することで、テクストと設計者の関係性を考察した。
第二部では、伊勢出身の前衛詩人北園克衛を題材とし、彼の記念館を計画した。北園克衛はシュルレアリスムやダダイスムに傾倒し、瀧口修造や上田敏雄とも交流があった。既往の詩の形式や意味を解体した実験的な詩を数多く創作し、日本の前衛詩を牽引した人物であるが、現在ではあまり知られていない。
構築への足がかりとして、全体が統御された『神曲』、一方で断片的なイメージから創出された北園の詩の対照的な様相から、建築へ向けた理論を導き出した。この形成プロセスの対比は、翻って設計行為全般に遡及することが可能であり、特に、「通時性」「共時性」の対立する概念を用いたプロセスの整理は、さらなる発展的な設計手法への展開を示唆している。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 群馬県生まれ
- 2017年
- 千葉大学 工学部 建築学科 卒業
- 2019年
- 千葉大学 融合理工学府 創成工学専攻 建築学コース 修了