Gallery作品詳細

都市に降る雨と建築

氏名
加藤 洲
所属
東京都市大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
手塚研究室
作品概要

 近代建築は雨を排他的に捉えてきた。外部に対しては密閉されていて気密性の高さを求め、基本的に外の環境からいかに自分を守るかということから壁と屋根によって構成されたものが、現在の都市を形作る。高密度化された都市では、雨の処理はすみやかに個有の建築で解決を強いられ、樋やパラペットによって、その流れはパイプの中に収められていった。

 この事実によって都市生活が成立するために建築がもたらしたものは、単に建築の各所の問題ではなく、自然と人との関係に偏りを与え、雨ないし、私たちが見ていた風景は内在化されていったのではないだろうか。

 雨は建築が雨風を凌ぐシェルターであっても、そのシェルターを通して情緒深いものであった。本計画では建築の中心に雨を据えて雨と建築の関係を再編するとともに、内在化された人々の欲求意識への喚起を試みる。暗渠化された渋谷川上流と雨を建築によって結びつけ、現在の都市における雨空間を設計する。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1994年
    神奈川出身
    2017年
    東京都市大学 工学部 建築学科 卒業
    2019年
    東京都市大学大学院 工学研究科 建築学専攻 修了