Gallery作品詳細

子どもの居場所を編み直す
- 葛飾区東四つ木を対象とした地域インフラとして根付く学童保育施設 -

氏名
森上 友暉
所属
日本工業大学大学院
工学研究科 建築デザイン学専攻
研究室
小川 次郎研究室
作品概要

 今日、首都圏において小学生の放課後問題が深刻化している。学童保育施設を増設し、待機学童を減らす取り組みが行われているものの、整備の遅れにより現状では必ずしも行き届いていない。また、建物の量的な拡充を急ぐあまり、空間の質的な充実に欠ける学童保育も少なくない。そこで本計画では、空間的な豊かさを備え子どもの日常的な居場所となる、地域のインフラとして機能する学童保育施設を提案する。

 敷地は、待機学童が多く存在する東京都葛飾区東四つ木地域を想定する。住宅地の中に中小工場が点在する地域である東四つ木の1学区を対象とし、小学校周辺に3つの地域密着型学童保育施設を計画する。地域に根付いた活動や人々の関係を学童保育に取り込むことで、住民と関わる場を作り出す。例えば、町工場で働く人や地域住民が気軽に訪れることのできる食堂のある学童を計画し、地域で働く人や住民と子どもとの交流のきっかけを作り出す。また、小学校と神社の参道に隣接する既存の学童保育に、中高生が利用できる遊戯・学習室を増設する。参道を子どものための施設へのアプローチとすることで、神社や参道が日常生活に根差した身近な存在となる。さらに、今は無き銭湯を学童保育と組み合わせて新築として再生し、地域に住む多世代の居場所を内包している。

 地域資源と学童保育を関係付け、住民との日常的な関わりを深めることで、東四つ木らしさに満ちた、地域に根付いた場所になる。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    石川県生まれ
    2017年
    日本工業大学 工学部 建築学科 卒業
    2019年
    日本工業大学大学院 工学研究科 建築デザイン学専攻  修了
    受賞歴
    2016年
    黄金町バザール2016空間デザイン実施コンペ 最優秀賞
    2017年
    CLTアイディアコンテスト2017アイディア部門 優秀賞
    2018年
    廃校コンペティション 廃校・キャンパス白倉の利活用を促進するための空間設計 佳作