Gallery作品詳細

イイハコ(1185)作ろう 鎌倉場(ば)工夫(くふう)
- 住宅地と観光業の溝を埋めるハコの提案 -

氏名
高橋 和佳子
所属
日本女子大学大学院
家政学研究科 住居学専攻
研究室
篠原聡子研究室
作品概要

 鎌倉は神奈川県で人気の観光地である。鎌倉時代から独自の文化を持ち、多くの神社仏閣が点在する歴史的な街としてだけでなく、映画やドラマ、アニメの舞台として国内外で人気がある。しかし近年観光客による混雑や渋滞が激しく「オーバーツーリズム」と呼ばれ問題になっている。食べ歩きのごみ問題や節操なく住宅地に侵入してくる観光客に対し住民は、のどかでゆったりとした本来の鎌倉の姿が奪われ、せわしない日帰り観光が激増している状況を嘆いている。観光地では善と受け入れられている観光客が、住宅地では悪と捉えられかねない。一方で市内に宿泊施設が増加し、宿泊観光の需要が高まっている。取材した「ゲストハウス彩 鎌倉」では住宅地の中でゲストハウスを営業するにあたり、騒音問題やオーナー不在中の言葉の通じない外国人ゲストのトラブルなど、地域住民の理解を得るのが難しい現状があった。東京五輪の影響もあり空き家を民泊やゲストハウスとして活用することが増加しつつある現在、空き家問題が深刻化している鎌倉にも同様の傾向がある。そこで住宅地と観光業の溝を埋めるべく、実質24時間営業のゲストハウスだからできる、ゲストと地域とを取り持つ交流サロンを提案する。セルフサービスが基本であるゲストハウス独自の“ゆるさ”を利用し、宿泊客と地域の人とが互いに文化を交換する「ホスト」にも「ゲスト」にもなる関係を作ることで、双方の暮らしのバランスを確保する。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1994年
    神奈川県生まれ
    2017年
    日本女子大学 家政学部住居学科 建築デザイン専攻 卒業
    2019年
    日本女子大学 家政学研究科 住居学専攻 修了