Gallery作品詳細
未完の古里:流転の形式
- 氏名
- 曲 聞
- 所属
- 武蔵野美術大学
造形研究科 デザイン専攻 建築コース - 研究室
- 布施スタジオ
- 作品概要
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「流転」、仏語、「六道・四生の迷いの生死を繰り返すこと。」という意味であり、一般的に「移り変わってやむことがないこと。」の解説もある。この設計は、「流転」のような意匠こそを伝えたいことである。
建築又は空間はどのような存在であろう。解体・新築、この繰り返すエ ンドレスな営造活動の間に、我々はいったい何を破壊・創造してきたのか。実在のマッス、又は精神的な存在、どちらが建築のリアリティな姿により近づいているのか。一瞬間の新築、何百年に存在している廃墟、どちらがより完璧な形態を見せているのか。この設計の目的は上述のさまざまな問題を検討するためである。
計画地は、宮城県石巻市南浜の東日本大震災で津波により被災した住宅地跡である。そこに、地元の工芸工房を中心としたパブリックスペース及び津波避難タワーを含む複合施設を設計し、新たな生活の可能性を提 案する。意匠としては、被災後の住宅の基礎上、つまり住宅が存在した 空間にキューブ型の個室やテラスを配置し、最上階には避難タワーとな る元住宅の量塊(マッス)を再現する。この成り立ちに、災害により失 われた量塊は異なる形式によって何回見え隠れしている。このように建 築の時間軸を再認識するために「流転」の表現を試みた。
プロフィール
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略歴
- 1992年
- 中国大連市 出身
- 2014年
- 大連交通大学 土木安全工程学院 土木工学科 卒業
- 2015年
- 北京建築大学 建築都市計画学院 建築学科 聴講生 修了
- 2019年
- 武蔵野美術大学 造形研究科 デザイン専攻 建築コース 修了