Gallery作品詳細
或る街の小さな際
- 不安定な都市の暴露とゆらぐ日常 -
- 氏名
- 早坂 覚啓
- 所属
- 明治大学大学院 I-AUD
理工学研究科 建築都市学専攻 - 研究室
- Manuel Tardits 研究室
- 作品概要
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本設計は、東京都北区滝野川における「小さな際」の考察と介入行為による人々の日常へのゆらぎを考える思考実験である。
解像度を上げて街を注視してみると、街の要素同士の衝突によって、ごくごく小さな摩擦のような状態が見受けられた。それは古くからの環境の痕跡でもあり、人の記憶や身体的な感覚に残る風景の豊かさを生み出す。例えば竣工時期の異なる線路によって生じる 三角敷地(ヘタ地)、寸法や形態の似ている痕跡を駐車場に転用した例、不整形地形に直行グリッドをトレースすることでかえって起伏の際立った土地などが挙げられる。異物感を醸し出す一方で、両者の本来の持ち味だけではなしえない現象、もともとそれぞれで完結性を持てていない不安定な要素が並び、その摩擦のように現前する場所。そうした都市の要素間の摩擦により生まれた状態のことを「小さな際」と呼ぶ。色々な解像度で同じまち中に散見できる「小さな際」への設計行為によって、そうした事実を暴き、人々の日常へゆらぎを与えるような設計を考える。
それぞれに、それぞれの日常の揺らぎをデザインしていったとき、やがてはその周辺の人々の日常のみならず、この街の定義ごと少しずつゆらいでいくのではないだろうか。どうだろうか。
プロフィール
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略歴
- 1994年
- 宮城県生まれ
- 2017年
- 明治大学 理工学部 建築学科 卒業
- 2019年
- 明治大学大学院 I-AUD 修了