Gallery作品詳細

東京圏における駅の消滅の研究
- 廃駅街区の開発手法の提案 -

氏名
眞鍋 啓
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻
研究室
西沢大良研究室
作品概要

鉄道駅の消滅は地方都市だけの話ではない。東京圏では226もの駅が消滅した。都市化とともに開設された過多の駅が、駅数整理のために廃止されるという原理であり、都心部での駅消滅は近代都市化の副産物なのである。東京圏で最も消滅した東京都97駅について詳細な分析を行った。廃駅街区(かつて駅のあった街区)を調査すると、個人商店の多さ・建築用途の多様性・歩車共存道路・住宅と道路の開放的な境界といった特徴がほぼ必ず現れた。以上の特徴を有した廃駅街区周辺エリアは、歩行圏という独自のコミュニティを形成し、現在まで残存してきたが、歩行圏であることを無視した開発によって、存続の危機にさらされている。都心部かつ駅近である貴重な歩行圏を保存・発展していく開発手法を提案していく。対象敷地は歩行圏の特徴を最も表した京成押上線の向島駅。プログラムは、歩行圏の存続を担う“リノベ本部” (設計事務所・ホテル受付・カフェ・銭湯)、町工場からノウハウを学べる“インキュベーション施設”(SOHO)、狭小敷地の問題を解決する“まちのアネックス” (体育館・倉庫・庭)といった周辺を活かすものとする。どの通りからも目的地が分かる配置、人を引き込む八の字アプローチ、街区内部に広がる奥庭によって、異なる目的で集まった人々が新たなコミュニティを育む場となっていく。駅に代わる新たな施設は、歩行圏を発展させ、街のコミュニティを結んでいく結節点となる。

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プロフィール

  • 略歴
    1996年
    神奈川県生まれ
    2018年
    芝浦工業大学 工学部 建築工学科 卒業
    2020年
    芝浦工業大学大学院 建設工学専攻 修了