「しょせん、他人事」と思っていた社会問題だったが、私たち家族にも関わる問題であること、そして将来わたしが設計者となり、働く女性となった時に直面する問題でもあることがわかった。
騒音が原因で起こる保育所の保育所建設反対運動、認知症の人の隣に住みたくない、と起こる介護施設建設反対運動…
必要なはずの施設なのに、なぜ建設されないのか。
本計画では、介護施設・保育施設の複合施設を都市部に設計し、新しいまちのあり方を考える。
該当敷地は東京都武蔵野市吉祥寺の過去に保育園計画が頓挫した敷地である。第1種低層住居地域であり、道路斜線・北側斜線制限がかかり、建ぺい率50%、10mの高さ制限がある。配置計画を考える際、壁面が迫ってくる施設は近隣住民にとって好ましくないと考え、建物を45°に振り、近隣住宅への圧迫感の減少、敷地内の四方に空間ができ庭として活用ができる、と都市部にある狭い敷地で土地を有効活用できる。都市部は広い土地が少ない。それゆえに保育施設などは迷惑だと疎まれ建設されることに対し、ハードルが高い施設である。しかし、介護施設・保育施設はこれからも必要とされる施設であることは明白である。本計画が都市部における福祉施設のロールモデルとなることで、近年希薄となっている近隣のコミュニティ活性化に繋がり「あってもいいな」と思える、介護施設・保育施設となる。