Gallery作品詳細
顔相的建築
- 吉阪隆正にみる「スキ」のある建築の提案 -
- 氏名
- 櫻井 友美
- 所属
- 千葉工業大学大学院
工学研究科 建築都市環境学専攻 - 研究室
- 遠藤政樹研究室
- 作品概要
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本作品のテーマである「スキ」とは、建築家吉阪隆正の言論や作品の特徴を示すキーワードである。合理的な世界は広い非合理の一部でしかなく、この落差を「スキ」と定義した。吉阪作品の特徴はこのスキを積極的に受け入れた上で統一をもたらすことにある。そうして可能となる建築は、感情の伴う思い出や連想のある不思議な世界をかたちづけるものとなる。街にある顔相的建築にはこの条件が揃っている。本作品は、この分析から建築を構築する。
この目的を達成するために注目したのは、顔相研究の心理学者ポール・エクマンである。エクマンは人間の豊かな顔表情を物理的な方法で精密に分析していた。本作品では、この分析結果を利用し、街の顔相的建築の構造を本作品が提案する新しい顔相建築に応用、創造に役立てている。
敷地は、東京都葛飾区立石駅前周辺である。下町情緒溢れる街の雰囲気が、昨今の再開発により失われはじめているところで、荒川と中川に挟まれたゼロメートル地帯でもある。そこに地上5 . 4 mのペデストリアンデッキで結ばれた5つの複合施設を計画する。それらは非日常的な避難施設であり、ポール・エクマンに分析による顔相を有する建築で、市民が日常的に愛する建築である。合理的では決してないものを計画・構築する試みである。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 東京都生まれ
- 2018年
- 千葉工業大学 工学部 建築都市環境学科 卒業
- 2020年
- 千葉工業大学大学院 工学研究科 建築都市環境学専攻 修了