Gallery作品詳細
継ぐ、ということ。
- 氏名
- 安部 遥香
- 所属
- 筑波大学大学院
人間総合科学研究科 芸術専攻 建築デザイン領域 - 研究室
- 加藤研研究室
- 作品概要
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敷地は松崎町の中でも海鼠壁の件数の最も多い松崎地区(旧松崎村)とし、デュアルスクールという2拠点型の教育システムを計画の軸とした。この事業は徳島県美波町で2016年より行われており、都心と地方の教育委員会同士が提携し、2校間での出席日数を認可している。現況では参加者同士の関係に限定されているが、本作品では地元住民・観光客・参加者の3つの交流軸が交わる為に必要な機能を、子供達が通う松崎小学校から徒歩10分圏内、かつ目抜き通りに面する中瀬邸・近藤邸・伊豆文邸の3つの海鼠壁建築に挿入する。機能を分散させる事で、人の移動により本来の中心地を再興する。いずれも海鼠壁を損なわない事を条件に、限られた敷地の中で必要諸室を満たす為に各海鼠壁建築の空間特性から増築を検討し、設計を行った。中瀬邸は事業の総合受付及びオフィスと学習塾、近藤邸は工房と食堂、伊豆文邸は温泉と宿として利用する。これらの海鼠壁建築を常に活用することで、海鼠壁の風景と文化を次の世代へ継承することを目指した。松崎町は交易によって海鼠壁建築が成立したが、時代の流れと共に衰退した。しかしその過程全てが、デュアルスクールによる新しい交易の町の姿を示す契機となったのである。本作品が類似した問題を抱えた地方を再興する一例となることを望む。
プロフィール
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略歴
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 芸術専攻
建築デザイン領域 博士前期課程2年