Gallery作品詳細
Artificial Bamboo Node
- 氏名
- 吉田 将一朗
- 所属
- 東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻 - 研究室
- 構造第一研究室
- 作品概要
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竹を用いた仮設構造体の制作とその接合部である仕口・継手の役割を果たす『人工節』の開発を行なった。モノとモノとのつなぎ目、建築を支える小さな部分、そういった細部が建築全体を決定づける。自然と人工、デザインとエンジアリング、デジタルとアナログ、設計と施工、様々な2点間を行き来し、その間でバランスをとる。
竹を建材として扱うとき、素材の特性を生かし「束ねて縛る・曲げる」といった方法が合理的である。しかし、本制作では「竹を切り出した円筒状まま使用(乾式)・1本で在軸を取る」という非合理的な問いをたてた。
不定形な自然素材をいかに定量化して扱うか、1:1スケールで実際の素材と向き合い、試行錯誤を重ねた結果、ディテールを機構的に解くことで『人工節』の開発という思わぬ可能性を見出した。節の中に「仕掛け」を入れ、竹の2つの切り出し角度(45,90度)によって、仕口と継手が生まれる。改めてそれらを繋ぎ合わせる事で「しなる・束ねる」とは違った『人工節』でしかなり得ない、不思議な様相を見せる。
日常の生活の中にあるのモノ、大量に市場に出回っているモノの組み合わせを考え、組み替えを行う、そんなちょっとしたことからでも非日常を生み出す、新たな建築を作る可能性はあるのでないか。そして何より、一見無駄かもしれないことに「こだわり」を持って、しつこく向き合い、作り続けることに、美学や価値があることに気づかされた。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 大阪府岸和田市生まれ
- 2018年
- 東京理科大学 卒業
- 2020年
- 東京藝術大学大学院 修了