Gallery作品詳細
陰翳堂書店
- 陰の中の翳 -
- 氏名
- 橋元 一成
- 所属
- 東京都市大学大学院
総合理工学研究科 建築・都市専攻 - 研究室
- 堀場弘研究室
- 作品概要
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近年、日本の都市は明るすぎると言われる。文明開化により、西洋の照明技術が流入し明るさは豊かさの象徴となった。過剰なほどに明るくなった現代の日本の都市を見て、もう一度本来の日本らしさに立ち返って考えてみたいと思った。照明技術が入って来る以前、日本人は、ろうそくや灯油の灯を頼りに夜を過ごしていた。豆電球ほどの光を包み込むように闇に包まれた環境を、日本人は暮らしやすいようにさらに明るくする技術を作るのではなく、その灯に照らされた闇の中に美を感じ、美しみ、「影の文化」をつくりだした。
東京神田神保町。本の街として発展してきたこの街は都市の高層化・高密度化の流れを経て、今日では当たり前となったペンシルビルの林立する大都市東京の一部となっている。この都市も例外なく高層建築が都市に大きな影を落としている。都市の中に生まれた日の当たらない場所はマイナスの要素として扱われることも多い。しかし、神保町では本が日焼けしないよう古書店は皆北側を向き、影の中で店を開いている。ここでは日の当たらない場所に価値が存在する。
この神保町の古書店と影の関係を利用し、神保町の都市(陰)の中に古書店(翳)をつくり、現在は忘れられた「影の文化」を現代の東京の都市に再現する。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 福岡県福岡市出身
- 2018年
- 東京都市大学 工学部 建築学科 卒業
- 2019年
- 東京都市大学院 総合理工学研究科 建築・都市専攻 修了