Gallery作品詳細
風の構築
- 自然環境と建築の距離を測る暮らし方の提案 -
- 氏名
- 盛田 瑠依
- 所属
- 東京理科大学大学院
理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 伊藤香織・都市計画研究室
- 作品概要
-
千葉県安房郡鋸南町を対象に、風の気候帯を設計する。
温度や湿度が一定の範囲に保たれる場、豪雨や強風が微気候帯へと変換される場もあれば、時間帯や四季に応じて直接的に海や地形と対峙する場もある。風の環境に変数をもたせることによって、防風林のように風を通す時と通さない時がある、この地ならではの空気の密度を空間として捉えた。密度を不均質にする狭小路地、目線の高さの軒、生垣に挟まれ周辺が見えない場所などの街路空間の集積からランドスケープ的に造形するため、気候や地形が類似している安房郡岩井集落を調査した。これらの調査を踏まえ、長期的に風を体感することで防災意識に直結する地域コミュニティを形成する、その「土地」に住まうための集合住宅と児童館を提案する。
集落周辺の地形の成り立ちを読み解き断面・平面構成を検討し、風環境のCFD解析をその都度行うことで建築形態へ落とし込み、風速に伴った人の行動と調査・分析から得た要点を基準に風を構築する変数を捉える。
異常気象が頻繁に発生する近現代において、空調設備などエンジニアリングに特化したものや多額の税金を投資してつくられる土木構築物でもない、人と自然の距離を介在させる複数の因子が絡み合った結果、その間には見えない環境が構築されている。
プロフィール
-
略歴
- 1996年
- 千葉県生まれ
- 2018年
- 東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
- 2020年
- 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修了