Gallery作品詳細

建築設計手法としての脱構築
- ジャック・デリダの再考 -

氏名
益子 直也
所属
東洋大学大学院
理工学研究科 建築・都市デザイン専攻
研究室
伊藤暁研究室
作品概要

1995年 阪神・淡路大震災で倒壊した建物を目にした磯崎新氏が「デコンストラクションというファッションは終わったと言わざるを得ない。」と発言して以降、建築領域での脱構築主義は収束に向かった。

しかし、2004年デリダ死去などをきっかけに哲学領域では再び脱構築主義の見直しが起こっている。特に、1998年『存在論的、郵便的-ジャック・デリダについて-』(著:東浩紀)は脱構築をメカニカル(方法論的)に問い直すという作業が行われている。

そこで建築領域においても脱構築主義を方法論として見直すことが必要であると考えた。その際に1990年代的脱構築主義の建築が表層の問題だったことに注視し、本設計はそれとは違う形の脱構築主義の建築を目指した。磯崎氏の「 デコンストラクションは“ファッション” - 。」という言葉から [流行]と[着るもの、服]という2つの意味に解体し、「①スケール抽出」と「②ボルドーの家の構造形式を参照する」という2つの手法を取り出し、設計に応用した。

本設計は「高輪ゲートウェイ駅計画地」に新駅舎を計画する。駅舎は「ボルドーの家」の構造形式を参照し、最上階の商業施設エリアはスキップフロアで構成した。プランは手法に従い、機能的要件とは別の根拠で決定されている。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    茨城県生まれ
    2018年
    東洋大学 理工学部 建築学科 卒業
    2020年
    東洋大学 大学院 理工学研究科 建築学専攻 卒業