Gallery作品詳細
堀開き
- 過去を繋ぎ未来を拓く中心の再興 -
- 氏名
- 平井 未央
- 所属
- 日本女子大学大学院
家政学研究科 建築デザイン専攻 - 研究室
- 篠原聡子研究室
- 作品概要
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急激な社会の変化、自然災害などにより、幾度も歴史が分断されてきた日本において、建築が都市の歴史を繋げることは可能か。
城を中心として生まれた近代都市は、外へ向かって拡散し、巨大化するにつれて、その核を失った。人間とかけ離れ、掴み難い存在となった都市に、人間の営みを内へと収束させていくような、新しい中心を据える。
中心の空洞化が著しい地方都市を対象に、城の起源であり、現在も多くの都市に実存している堀を起点とした計画を行う。住民と中心とを分離していた堀の水を抜き、建築化しながら街へと開く。堀の4面性によって分かれた、それぞれ特徴ある周縁の必要とする建築が、堀を乗り越え、城内で混じり合う。
石垣を内包する各建築は、補強性と可逆性を保ちながら、石垣を解釈するように建ち現れる。近年、広まった歴史保存の態度により、歴史的解釈は事実に代わって実体を持ち、歴史的事実が不透明になっている中、事実と解釈がどちらも実体として並存することを目指す。
石垣と共にある建築での個人の経験は、堀という大きな骨格で建築群がひとつになるように都市全体の共通の記憶となっていく。
人間が造り出した大地を基盤とした建築が建つことで、堀という歴史的事実が人々の生活と共に後世に残っていく。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 福井県福井市生まれ
- 2018年
- 日本女子大学 家政学部 住居学科建築デザイン専攻 卒業
- 2020年
- 日本女子大学大学院 家政学研究科 建築デザイン専攻 修了