Gallery作品詳細

台湾味ミリュー
~ 宜蘭の礁渓における共食景の提案 ~

氏名
呉 沛綺
所属
法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻
研究室
下吹越研究室
作品概要

台湾は17世紀以降、占拠され、統治されることにより、元の原住民以外、漢民族や戦後大陸から移住した兵士たちと近年東南アジア諸国や中国からの新移民などによって構成した多民族社会である。このような複雑な歴史と多様な文化の下で、国民アイデンティティに対する意識は弱いと思われている。多くの台湾人は台湾文化に対する自信がなく、いつも流行する物事を追っており、文化の根が徐々に失っている。改めて台湾の歴史を読み取った結果、コンテクストが最も完全なのは台湾の飲食史であると思われる。そのため、食に関することを巡り、フードデザインの観点を基にし、食物が産地から食卓までの循環の可視化する空間と場所の創出は本提案の目指す事である。

昔の台湾社会において、近所たちは食材や食器や家具などの物をシェアし、共食を行ったことは普通であった。その行事は“辦桌”バンドッ(台湾語の発音)と呼ばれている。以前、バンドッは主に屋外、半屋外で行われていた。都市空間の変遷のため、バンドッという共食文化は段々消えており、商業化の食べる形式と食空間に派生してきた。一方、台湾料理は各時期の各民族特有の調理法を吸収し、台湾特有な食材を用いた為、混和的な独自な味も特徴である。そのため、台湾味というのは明快的なイメージではないと考えられる。台湾におけるそれぞれの民族が文化の根源と見なした食文化に関する知識の再認識と再構築する必要があると思われる。もし台湾味ミリューという料理を中心に環境や文化に影響を及ぼす場所ができたら、各民族の産地から食卓までの食に関する知識の交流が出来る共食景は期待できるのではないだろうか。

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プロフィール

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