Gallery作品詳細
障碍と暮らす建築
- 日常をリノベーションする演劇的福祉の提案 -
- 氏名
- 齊藤 実紀
- 所属
- 早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 古谷誠章・藤井由理研究室
- 作品概要
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日本における福祉は健常者の枠から溢れた人々の受け皿として整備され、老いや障害は誰もが遭遇しうるものでありながら一般的に健常者の意識の外にある。障碍によって生まれたズレを建築化しひらくことで、障害者にとってはバリアフリーであり、かつ健常者にとっては新たな身体性を発見する場として両者の関係を再構築する。北千住の商店街を敷地として、独居老人、車椅子の老人、聴覚障害のある老人、シングルマザー、寝たきりの老人の5つの「障碍」を対象に舞台装置としての住宅を設計した。車椅子での視線高さ、聴覚障害により発達する視覚や振動を介したコミュニケーション、子供に特化したスケールや勾配など、彼らの身体性から生まれる寸法やズレに段階的に入り込んでいく空間によって、障害者と健常者の優位性が逆転する瞬間をつくりだす。障碍によって生きづらさを抱えた人々が小さな役を持ち、ここでの空間体験が健常者に気付きを与える中で、商店街全体が1つの劇場性を帯び始める。ズレを受け入れ障害を多様性の中に位置付けることで、障碍/健常の境界を揺るがし福祉への視点を転換する、新たな建築の提案。
プロフィール
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略歴
- 1995年
- 千葉県浦安市生まれ
- 2011年
- 千葉県立船橋高等学校 入学
- 2014年
- 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 入学
- 2018年
- 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 卒業
- 早稲田大学創造理工学術院 創造理工学研究科 建築学専攻 入学