Gallery作品詳細
ベトナムの都市住宅“重ね屋”への試行
- 伝統木造建築の重ね梁からの展開 -
- 氏名
- 範田 明治
- 所属
- 早稲田大学大学院
建築芸術論 建築学専攻 - 研究室
- 赤坂喜顕研究室
- 作品概要
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現代のベトナムの抱えている問題は”文化の断絶”、”家族の分解”、”住宅の光と熱環境”の3つである。木材不足と伝統の軽視がとても暑い風土に合わない壁式住居が全土を埋め尽くしている理由である。分析では、断面で《家族》祖先壇(仏壇)の威厳を表現する建築架構の”重ね合わせの意匠の文化”を発見し、平面で《環境》過去の伝統木造家屋にベトナムの風土に対する優れた解答である”重ね合わせの空間”を見つけた。ベトナム南部サイゴンの壁式住居が整然と並んでいる風景、そこにはかつてあった風土との適切な関係性はない。この一角に文化・家族・環境の問題を現代的に再編する都市住宅”重ね屋”を提案する。伝統建築からベトナムの風土に対しての関係性を分析することで得られた、池を設け気圧差で風を生みながら、普段は内部だが雨の際には外部になって雨水が入ってくる重ね合わせの空間と、祖先の威厳を表現する重ね合わせの意匠を現代都市住宅へと昇華させた。ベトナムの風土に合った”重ね合わせの空間”と竹の架構に昇華させた”重ね合わせの意匠”を併せ持つ”重ね屋”がベトナムに伝統の可能性と重要性を問う。
プロフィール
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略歴
- 1995年11月
- ベトナム人の両親の間に神奈川県で生まれる
- 2018年3月
- 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 卒業
- 2020年3月
- 早稲田大学大学院 創造理工学研究科 建築学専攻 修了