Gallery作品詳細
道具的建築
- 制作を通じたその場所への住まい方 -
- 氏名
- 林 侑也
- 所属
- 芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻 - 研究室
- 建築・環境設計研究室
- 作品概要
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本提案は「制作」という人間の根源的な行為を再考し、建築を身近なものとして捉え直すことが目的である。
「制作」とは制作者が建築を内在化する過程であり、制作者と建築との「受動-能動」的側面ではなく、制作者と建築との応答による「中動-能動」的側面をもつ。内在化された建築は「道具」として扱われ、時間のなかで諸関係が流動的に変化することにより顕在化し、一個人を超えた記憶となる。そうした諸関係の再構築を建築家が行うことで、住まい手が顕在化と内在化を繰り返し、「道具的建築」となる。
以上を踏まえ、長野県松本市にある祖母の家を題材に「道具的建築」を提示する。周辺には戦前から工場や社宅用の長屋が多くある。長屋は敷地分割され、祖母の家をはじめとする一軒家として各々が改築していくことで、個性を持った「制作性」の見られる場所である。設計手法として私を「建築家」、この家を取り巻く人々を「制作者」として捉え、部分的な改修を複数回に分けて行う。それぞれのフェーズに想定される要因から生み出された微視的な視点によりつくられた行為体系によって、「制作者」の能動的な所作が発揮され、建築は開かれていき、住まう時間や場所がより大きな全体の中にあると感じることができる。
プロフィール
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略歴
- 1996年
- 長野県辰野町生まれ
- 2015年
- 長野県伊那北高校 卒業
- 2019年
- 芝浦工業大学 工学部 建築学科 卒業
- 2021年
- 芝浦工業大学大学院 理工学研究科 建設工学専攻 卒業