Gallery作品詳細
深さを与える設計手法
- 境界の集合・離散によって空間に奥行きを生み出す -
- 氏名
- 佐藤 雅之
- 所属
- 東海大学大学院
工学研究科 建築土木工学専攻 - 研究室
- 野口直人研究室
- 作品概要
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私は、街を構成する多くの建築が内外や部屋同士の関係性をはっきりと区分しており、空間的魅力に乏しいと考える。そこで、空間に深さを与える事で関係性を二分しない建築を目指す。
空間を「(ものが存在せず)空いている場所」と捉え、境界によってその場に満たされている何かしらの要素が切り替わることで生まれていると定義する。
そこで、空間に影響を及ぼす境界として、要素の切り替わる部分に注目すると、日常では意識されない、細分化した境界が浮かび上がる。本研究では、そのような境界がズレながら連続することで生まれる、奥行きのある空間を利用し、関係性を二分しない「深さを持った建築」を提案する。具体的な操作として、細分化した境界を3つの点によって作り出す。1つ目は線分の端となる「端点」、2つ目は別の方向に変化する「変節点」、3つ目は曲がり方が変化する「折点」。
これらの点を床や天井の操作によって生み出し、集合・離散しながら連続する事で奥行きを空間に与える。その奥行きを交差させることで、細分化した境界が連続する、深さを持った建築を作り出す。深さを持った建築では、天井高やレベルなど、要素ごとに境界の位置がズレる事で、細かな変化が連続する場を作り出し、空間体験に奥行きを与える。
それによって、微細な活動の重なりや変化が連続し、様々な関係性を生み出す魅力を持った建築空間となる。
プロフィール
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略歴
- 1996年
- 神奈川県川崎市生まれ
- 2019年
- 東海大学 工学部 建築学科 卒業
- 2021年
- 東海大学大学院 工学研究科 建築土木工学専攻 修了