Gallery作品詳細

パレスサイドビルディング・アネックス
近代建築のパラサイト型保存再生をめざしたオフィスプロジェクト

氏名
西村 陽太郎
所属
東京工業大学大学院
環境・社会理工学院 建築学系
研究室
安田研究室
作品概要

パレスサイドビルディングは日建設計工務(設計総括:林昌二)の設計により1966年に竣工し、最初のDOCOMOMO近代建築20選にも選出された日本を代表するオフィスビルである。
一方で皇居周辺では土地の高度利用を目的とした再開発による建物の高層化が進み、竣工から半世紀以上が経過し設備面の老朽化もみられることから、今後建替えの危機に瀕する可能性もある。

そこで本計画は、近代建築の保存再生手法の一つとして容積移転と引き換えに、エネルギー・環境設備面でパレスサイドビルディングを後方支援する“パラサイト型保存再生手法”を新たに示す。容積率移転を行いつつ屋上庭園やファサードなど林昌二が注力した建築表現と思想を踏襲・発展する。加えて「新しい生活様式」に即したオフィスや生活のあり方を検討することでポストコロナ時代におけるパレスサイドビルディング・アネックスを提案する。

地下5階の通路と地上8階の屋上ブリッジにより既存部へとエネルギーを供給し、屋上庭園を介して人々が二棟を往来する。既存部の幾何学的平面構成を踏襲し、敷地形状由来の直角二等辺三角形平面のボリュームを立ち上げつつ、採光や眺望を考慮しボイドを設け全体構成を決定した。

利益確保を重視した既存の再開発手法に対して、エネルギー供給を意図した保存重視のパラサイト型保存再生を行うことで、屋上ブリッジによって繋がれた新旧二棟が歴史的価値を創造的に継承し続けることを期待する。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    東京都生まれ
    2018年
    東京工業大学 建築学科 卒業
    2019年
    ウィーン工科大学 交換留学
    2021年
    東京工業大学大学院 環境・社会理工学院 建築学系 修了

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