Gallery作品詳細

幻塩風景
- 言葉のある風景の研究と実験建築 -

氏名
木村 晟洋
所属
東京都市大学大学院
総合理工研究科 建築都市専攻
研究室
手塚研究室
作品概要

和歌浦の塩竈神社は塩=神と祀っている。全ての時代にとって塩は神であることは変わらない和歌浦であるが、時代によって塩の役割は変わってきていることがわかる。塩はかつて、全ての生き物の源といわれ生命の母であったといわれおり、全ての生き物の生態系維持に携わってきた。万葉の時代になると和歌浦の多くの和歌は遠歌といわれ、実際の和歌浦に訪れず、風景を想像して和歌を歌ったといわれている。まさに塩を取り扱った幻想風景を作っていったのである。その後の近世から現代まで塩を人間独自の物に占有し、ただ塩を製作していた生活風景が描かれている。時代ごとに役割が切れつつあるのが和歌浦の塩文化である。これらのことを踏まえて和歌浦の未来型の塩のあり方は近世の人間独自の塩の製作に加え、幻の風景を具現化し、塩本来の役割、生命の母となることではないか、万葉的な幻想風景から幻塩風景を構築していく。そこで、和歌浦の和歌の用語の意味から、それぞれの言葉の意味を抽出し、そこで得た言葉から幻想風景の痕跡をリサーチした。この幻想風景の痕跡と未来型の幻の風景の提案を繋いでいき、過去と未来をつなぐ建築を設計する。

幻塩風景は塩と根強く残っていることが約46億年前からわかる。私はこの生命の母であり、神である塩を46億年前から現在まで遡り、幻想風景を抽出し、この風景が今後どのように未来へ繋いでいくか、塩の実験をしていく試論であり詩論である。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    2019年
    東京都市大学 卒業
    2019年
    同大学院 入学
    2021年
    同大学院 卒業見込み

一覧へ戻る