Gallery作品詳細

Ad hoc common architecture
- For Sagi Island, Mihara city -

氏名
齋藤 匠
所属
東京理科大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
都市デザイン・計画研究室
作品概要

□ 序
使い手が一方的にサービスを受けるだけの公共建築からは「公共」の言葉に違和感を感じる。そこで使い手によってアドホックな作り変えがなされる新しい公共建築を提案する。

□ 調査
島に多く存在するアドホックな工作物は、土地の環境や産業との深い結びつきによって現れている。環境の変化に応じて手が加えられることで個性が見られる。こうしたアドホックな建築や工作物からその土地の環境を知り、使われ方の工夫を設計の手がかりとした。

□ 設計
島民の多くが持つ自立的で小さな生業を介して、恒久的で固有な公共性が生まれている。しかしながら高齢化や後継者不足によって、島特有の技術や、かつて栄えた産業も少しずつ失われている。そこで、島民だけでなく観光客やよそ者も島時間を過ごせるような公共建築を3つ提案する。各建築はみかん畑、塩工房、お菓子・小物製品工房の3つの生業の拠点であり、生業空間を肥大化させその余白に公共空間が入り込む。アドホックな作り変えを誘発するため、簡易的な構法を用い、各部位で強度の異なる木材それぞれが、複数の機能・意味を重ね合わせて持つよう設計した。

□ 結
建築も1つの生業として、人々のボランタリーな働きを支えるきっかけになると考える。めまぐるしい変化が必要とされる時代だからこそ、最初から目的を決めずにアドホックに使われ方を上書きしていく方法に、これからの公共建築のあり方を見ることができないだろうか。

作品イメージ

作品ファイル

プロフィール

  • 略歴
    1995年
    千葉県鎌ヶ谷市生まれ
    2019年
    東京理科大学 理工学部 建築学科 卒業
    2021年
    東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻

    伊藤研究室 修了

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