現代は「スペクタクル」つまり、マスメディアの発達とともに資本主義の形態が情報消費社会へと移行し、生活のすべてがメディア上の表象としてしか存在しなくなった状況が、私たちの身の回りを取り巻いている。本提案ではそんなスペクタクルを批評すると共に、ある種の分かりやすさや、消費的な余暇や欲望として捉え、利用しながら設計をすることで、新たな建築や能動的な都市更新の手法を作ることを目的としている。

郊外を舞台に、郊外の人々が享受する暮らしを否定的に捉えるのではなく、チェーン店や暮らしの一般解やイデオロギーといった消費的な郊外らしい暮らしの一部を肯定すると共に、その暮らしを潜在的に郊外に存在するスペクタクルを読み取りながらオープンビルド的に建築と共に再構築することで、郊外的な伝統社会を新しく能動的に形成するプロセスが生まれ、ジェネリックな都市に自治性や唯一性が生まれる。