Gallery作品詳細
個室群鶏舎
- 滝ケ原ファームにおけるアニマル・ウェルフェアの実践 -
- 氏名
- 河野 茉莉子
- 所属
- 早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 吉村靖孝研究室
- 作品概要
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新型コロナウイルスの登場は私たち人間に、人間以外の生物と私たちが切っても切り離せない関係にあるという事実を突きつけた。都市や建築を考える際多用されてきたヒューマンスケールという言葉は、今までの都市や建築が人間を中心に考えられてきたことを示している。今回提案するのは、鶏を主体とするチキンタウンの計画である。2020年、新型コロナウイルス蔓延の裏で鳥インフルエンザが世界的に大流行し、日本国内の処分羽数は過去最悪となった。こうした菌やウイルスが鶏を介して人に感染した場合、今回の新型コロナウイルスをはるかに超える被害が出ると予測されている。私たちは今、人のことを考えているだけでは健康でいられない時代に足を踏み入れていると言える。そもそも「食べる」という行為において本来、家畜と人間は相互依存の関係にある。その片方だけが健康でいることは不可能ではないだろうか。本計画は、人間だけでなく人間を取り巻く生態系を健康にすることで、持続可能な食の供給を目指す、「アニマル・ウェルフェア」という概念に学び、石川県滝ケ原町にて新しい養鶏と建築のあり方を模索するものである。鶏の本来の特性や行動レパートリーに着目するだけでなく、今まで見過ごされてきた鶏の個性を認め、設計に反映した。人間のために人間以外の動植物のための建築を設計する未来を描いた小さな実践である。
プロフィール
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略歴
- 1996年
- 東京都生まれ
- 2015年
- 白百合学園高等学校 卒業
- 2019年
- 早稲田大学 創造理工学部 建築学科 卒業
- 2021年
- 早稲田大学創造理工学術院 創造理工学研究科 建築学専攻 卒業