第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

[kúmo]

日常‐非日常の繋ぎの研究、そして設計
氏名
小竹隼人
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
猪熊純研究室
作品概要

私は研究をした。日常と非日常の繋ぎ方についての研究だ。
篠原一男もクリスチャン・ノルベルグ=シュルツも誰も彼も非日常の性質について着目して、日常に対してどのように繋がればいいかについては無頓着だ。
故に、街中は日常に溢れてしまった。心を動かし感動させる、そんな支配的なまでの非日常を喪失した街は、退屈そのものである。
この研究を通した設計で、街中の日常に同化してしまった非日常を取り戻す。

・街中(日常)の非日常となりうる空間
空地とは、建物と共に理論や理屈が取り除かれた空間である。そこには人のスケールも生活も無い、非日常となる可能性を有する場所である。

・街(日常)と空地(非日常)を繋ぐ曖昧な空間
重さとは、質量であり、さらに言うなら存在だ。
軽さを求める事とは、存在の曖昧さを求める行為とも思える。雲や幽霊のようなにあるのか無いのかも分からない曖昧さ。
質量のある都市(日常)に対して、質量のない空地。それらを質量の曖昧な存在で繋ぐ。

・設計
0.5mmのポリカーボネイトに七夕飾りのように切れ込みを入れて拡げることで弾性を有する構造体を作る。とても弱い構造のため、風が吹くと脈を打つように粗密を変える。さらに、自重や風圧力によって下部が膨らんでしまうため、空地に隣接する建物で挟み込む事で矩形を保つ。つまり、場所と構造が結びついた、空地だからこそ成立する存在である。

作品イメージ

Profile

略歴

第28回ユニオン造形デザイン賞 優秀賞

第48回日新工業建築設計競技 佳作

木の家設計グランプリ2021 優秀賞、荻野賞

その他 受賞等13作品