鵜飼文化を介したコミュニティの再編と建築の提案
- 氏名
- 鈴木奏子
- 所属
- 千葉工業大学大学院
創造工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 遠藤政樹研究室
- 作品概要
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本研究は、長い間受け継がれてきた鵜飼の本質である「動物を利用する」という論理の全体像をリバランスに捉え、失われゆく鵜飼文化を建築によって再構築するものである。
まず鵜飼文化の現状を4つの視点から捉え直すことをはじめに行っている。通時的視点、共時的視点、自然科学的視点、経済的視点である。この文化は鵜を捕獲することから始まっている。独自性を持つ日本の鵜飼文化にはさまざまな存在を確認できるが、その多くは私たちの生活の中からでは感じにくく、接続が困難である。既存の建築も同様に、多方面から機能している要素との関係性は切断されている。以上から本研究が目的とするのは、人と鵜の関係(捕獲し、生活し訓練し、副産物を得て、観察し研究すること)の表象を通して、多くの人に鵜飼という文化を提供し、それを推進させること。そして鵜を中心とした場合の開かれた社会のネットワークの拡大にある。
計画敷地は茨城県日立市の鵜の岬。ウミウが捕獲される岸壁である。しかしその捕獲場は危険で老朽化し、その存在はあまり知られていない。ウミウ捕獲場を中心とした鵜飼文化に触れることができる施設を計画した。人と鵜との間で営まれてきた生態を示す環境建築である。自然と対峙する技術が必要である鵜飼、その継承を自然と対峙する場所から繋いでゆく。
Profile
略歴
1997年 茨城県日立市生まれ
2021年 千葉工業大学 創造工学部 建築学科 卒業
2023年 千葉工業大学大学院 創造工学研究科 建築学専攻 修了
受賞歴
2020年 C league 2020 千葉5大学3年合同設計課題 栗生明賞