人間の土地
- 氏名
- 鶴田航
- 所属
- 東京藝術大学大学院
美術研究科 建築専攻 - 研究室
- 構造計画第一研究室
- 作品概要
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建築は、ここにないものを描くことから始まる。その時「何も刻まれていない石板」、タブララサから始める方法がある。つまり、いったん、まっさらな白紙を前提として、ある理想に向けて、思考を進め、実現を目指す。これは、建築がその内部における論理を積み重ねやすい、という意味において、建築の自律性を高める方向にはたらく。一方で、そこに描かれる建築の周辺について、入念な調査を重ね、その関係を白紙の前提として、建築を構成することがある。これは、建築がその外部における論理を汲み取りやすいという意味において、建築の他律性を高める方向にはたらく。もちろん、現実にはこうした単純な二項対立では語れないことがほとんどなのだから、そういった軸を置くこともできる、といった程度のはなし。けれども、いずれの場合においても、つい軸から見落としてしまうと感じるのは、白紙じたい、について。たとえば、その大きさや形、表面の凹凸といった、白紙そのものの様子や、はたしてそれが建築にどんな影響を与えているのか、そういったことについて、検証することもできる。これは先に述べた、白紙か文脈か、自律的か他律的か、というはなしではなく、そもそもそれは本当に白紙か、といった疑問である。
Profile
略歴
2023- Accademia di architettura, Mendrisio
2021-2022 ETH Zurich, Gramazio Kohler Research
2019-2023 東京藝術大学美術研究科建築専攻構造計画第一研究室
2015-2019 東京藝術大学美術学部建築科