2.水で気温を下げる
 水を使って気温を下げる方法には、昔から「打ち水」という方法があり、夏のイベントとして「打ち水大会」が各地で催されています。涼を呼ぶイメージは高いですが、打ち水は地面に撒かれた水がその表面から順次蒸発するため、アスファルト面に撒かれた水は 100%蒸発せずに、一部は側溝に流れて失われてしまいます。
ドライミストは、「打ち水」の基本的原理と同じく、水が気化するときに周囲の熱をうばう働きを利用しています。木々の葉から水分が蒸発するように、空間に直接水を撒くことで、効率的な水資源の利用を行なっています。森の涼しさに学び、噴霧量の基本として、クスノキ林の夏季の全蒸散量として知られている値、7.5mL/min/m2(気温34℃、相対湿度50%)を採用しました。実際の設計では、噴霧場所周辺への広がりなども考慮した噴霧量を採用することもあります。

写真1 シングル型ノズルの噴霧状況