2.パッシブ制御システム(2)「新しい空間を想像(イメージ)する」
■力学制約を意識させない自由なファルムの創造を支える制振装置(mD series)
超高層を含むスレンダー構造物は動荷重に弱いといわれます。
減衰特性を改善することは大胆な意匠を可能にします。

 構造物にとってフォルムは命といってよいほどのものです。この価値が周囲を含めて街、あるいは都市の空気を作っていくのです。有名なフィレンツェの大ドゥオモ(大聖堂)はこの芸術の街の空気を規定しています。このような構造、空間の創造に〈制振技術〉が果たす役割は決して小さくありません。シンボライズされた「塔」に制振装置は不可欠ですし、空間を結ぶ「橋」にも欠かせません。動特性を改善して揺れにくい構造を作ることで、力学制約を感じさせないフォルムが可能となるのです。最新の制振動力学が街の空気を変えていくのです。
■橋梁・歩道橋の制振
さまざまな人々が行き交う橋梁・歩道橋の必需品
 ロングスパンで支持された、橋梁や歩道橋は、人が歩く程度の軽度な振動でも大きな応答を示します。mD-Vbは、橋梁・歩道橋の制振性能を向上させることで、フワフワ揺れる不快感を取り除くことができます。



ビル間をつなぐ渡り廊下
  ■階段の制振
意匠を重視した階段の必需品
 写真(下)は柱の無い階段です。踊り場の裏面に薄型mD−Vbが装着されています。昇降時の振動は柱で支持された階段と同様の快適さです。
デザイナーのイメージを実現させる隠れた技術がそこにはあります。


支柱のない階段

■庇あるいは梁構造の制振
減衰性能を確保したい庇の必需品
 片持ち梁構造の庇は、支持する柱を持たない為、風による影響を受けやすい構造です。
mD−Vbは減衰性能を向上させ、金属疲労を軽減させる対策に有効です。



斬新な庇の実現
・実測例(加速度波形)
S造で11mむの片持梁構造の、庇の先端にmD−Vbを取り付けた事例。
振動減衰率が0.2%から2.2%まで向上し繰り返しの外部入力(風等)に対する構造支持点での疲労は十分に軽減できることが確認されました。