3.パッシブ制御システム-(3)「都市型振動環境の創出」
■厳しい立地条件の中で高環境空間を可能とする制振装置(mD series)
  都市にとって交通は動脈とたとえられますが、華や車両は大きな振動・騒音源であることはよく知られています。しかし動脈と離れて都市は成立しませんから、内部に存在する振動・騒音源と隣接して居住区や施設を作らざるを得ないのです。このような厳しい立地において高環境空間を作る決め手は、やはり制振技術なのです。道路のそばの地盤では交通振動が広く伝播しています。この上に建築された建物はその影響から逃れることはできません。この場合のポイントは構造物の固有振動ができるだけ励起されないようにすることなのです。同じことは風揺れに対してもいうことができます。スレンダーな建物では風によって船酔いのような障害が発生するのです。これらに制振装置が有効なのはいうまでもありません。

■高層ビル・タワーの制振
 mD−Hnは建物の揺れる周期に同調させて、水平方向に発生する低周波の振動をすばやく抑制することができます。風や交通振動の影響を受けやすい高層ビルやタワー用の制振対策として高い環境を確保できます。すでに障害が発生している既存の建物や構造物にも設置することも可能で、予期しなかった振動障害を解決することができます。

■標準水平1軸制振装置(m2D【PAT.P】)
■戸建住宅の制振
 振動の影響を受けやすい環境は戸建住宅も例外ではありません。m2Dは、戸建住宅用として開発されたコンパクトな制振装置です。しかも1方向の振動だけでなく水平1軸の振動を1台で制御することを可能にした高性能な制擬装置です。あきらめていた振動問題はm2Dを屋上階等に設置することで改善することができるのです。

従来の単一動吸振器と比較すると、その約60%の
質量で同じ効果が得られます。