いま活躍している建築家の皆さんはどんな子供時代を過ごしていたのでしょう?皆さんに聞いてみました。
002
保坂 猛ほさかたけし
1975年生まれの保坂さんは、大学を出られてから設計事務所に勤めるのではなく、すぐに自分の事務所を始められています。
そしてDaylight Houseという作品で、2012年度の建築家協会新人賞を受賞されています。
そしてDaylight Houseという作品で、2012年度の建築家協会新人賞を受賞されています。
DAYLIGHT HOUSE | DAYLIGHT HOUSE Photo:Koji Fujii Nacasa&Partners Inc |
- Q.生まれ育った地域や環境をご紹介ください。
- 山梨県甲府市で生まれ育ちました。
祖父が農家をやっていた関係で、家のまわりは祖父の田畑に囲まれていました。
田んぼのまわりでザリガニやタニシをとったり、農業の邪魔にならないように遊んでいました。
今思うと、田んぼは祖父の仕事場であり、子供の遊び場でもあり、このような場が屋外で、自然豊かな環境であったことは 素晴らしいことだったと思っています。 - Q.子供の頃好きだったことは何ですか?どんな子供でしたか?
- 子供の頃は、ほとんど屋外で遊んでいました。
野球とかルールのある遊びよりも、山の中を散策したり、原っぱで遊んでいたと思います。
室内にいる時は、絵を描いている時間が多かったと思います。 - Q.子供の頃好きだった(印象に残る)場所、建物、空間はありますか?
- 子供の頃好きだった場所は、祖父の田畑やその周辺、近所の山、笛吹き川、原っぱなどです。
共通しているのは、屋外で、自然とともに遊べるような場所です。
印象に残っている建物、空間は、やはり長時間過ごしたからだと思いますが、 建物としては家、祖父母の家、小中高の教室や廊下、体育館といったものです。
その他には、家の近所の武田神社の社殿、丹下健三設計の山梨文化会館は印象に残っています。
これは素晴らしい建築がもつ建築・空間の力によるものだと思います。 - Q.建築家を知った(または志した)のはいつですか?
- 建築家を知った時期については、はっきりと記憶がありません。
しかし、建築家という職業につきたいと普通に思っていたのですから、今思えば不思議なことです。
高校生の時に、戦闘機のパイロットと建築家の2つで迷った末、防衛大学校に入校したのですが、受験勉強の後遺症で視力が低下し、パイロットにはなれないという結末となり退学しました。
これよって、建築家1つに絞られました。 - Q.またどのようなきっかけですか?
- ちゃんと建築家を志したのは、横浜国大建築学科の大学2年の頃、非常勤講師の坂茂さんの授業で衝撃を受けたのがきっかけです。
授業の内容というよりも、坂茂さんの建築に対する気迫を目の当たりにし、目が覚めたような感じでした。
それまで趣味で音楽をやっていたりしたのを全てやめて、全力で建築に取り組みました。 - Q.子供たちへのメッセージ
- 私は建築を考える際、たくさんの空想をしスケッチに描きます。
最低でも1日1枚は必ずスケッチを描きます。 そのほとんど99%は、未熟な空想でありダメなものも結構多いです。
しかし、諦めずにやり続けると1%の素晴らしい発見ができます。
そんな風にして、一つ一つ建築を考えています。