シンポジウム
「半世紀を迎えた世田谷区民会館+区役所庁舎」Part1
シンポジウムと見学会のご案内 シンポジウムで配布された資料
8月初めの暑い日でしたが、世田谷区民会館には多くの方に集まっていただき、大変心の温まるシンポジウムを開催することができました。最初に、世田谷区の庁舎計画担当部の方より、現庁舎の物理的問題点・使用上の課題などについて説明がありました。その後、京都工芸繊維大学の松隈先生より、近代建築の父と呼ばれるル・コルビュジェの元で学んだ前川国男という建築家が世田谷区役所庁舎を設計したときの熱い思い、けやき広場の重要さ、役所がカバーすべき人口が建設当初と現在では大きく異なり、建設当初はスッキリしていたという当時の内観写真などを見せていただきました。
現区庁舎の課題 前川国男の熱い思い
その後、前川建築設計事務所で、実際に世田谷区役所の設計監理にあたった奥村さんから、当時のエピソードなどについて伺いました。
当時、大変限られた予算の中で、大変苦労してこの建物を設計した思い出があるので、大変懐かしい。もっと大事に使ってもらいたかったというようなコメントがありました。
建設当時のエピソード 記憶の重要さ
野沢さんの司会で始まったパネルディスカッションに入ると、それぞれのパネラーからいろいろなコメントを頂きました。実際に音楽ホールとして使われることの多い井川さんからは、このホールは音響や使い勝手の問題はあるけれども、ヨーロッパのように古い建物を大事に使うことも大切であるというようなお話を頂きました。
最後には、元前川事務所で一緒に働いておられた建築家の方々が登壇され、当時の思い出やわが子のように愛着のあるこの建物を大切に使ってほしいという熱い思いを語られました。
音楽ホールのありかた 建物への愛情の大切さ
その後ケヤキのある広場で行われた見学会では、暑い日ざしも収まり、さわやかな風が流れ、心温まるお話の余韻がいつまでも漂っているような気がしました