建築家は、依頼者や社会に対して、個人の利益を離れた専門家としての助言を行う責任があります。依頼者の正当な権利を守り、建築家の社会的正当性を貫くために、施工・生産・流通の機構から独立して、公正で中立な第三者の立場を保持します。客観的に建物を診断し評価する、劣化の状態に合わせた修繕方法を提案する、長期的な視野に立って改善項目を提言する、発注内容通りの施工がなされているか工事を監理する。これらの一連の作業は建築家の公正中立な立場で初めて実現します。材料メーカー、工事会社、管理会社の立場とは一線を画するものです。
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