私たちメンテナンス部会は、大規模修繕や設備改修などマンション維持管理のハード面を担う技術者集団ですが、建物を住まいとして長期的に使い続ける仕組み・ソフト面の理解も重要です。高経年で管理が難しくなるマンションの増加を見越し、最近ではマンション関連の法や制度が変わり、管理状況の評価制度も始まっています。知見を広めておきたいところです。
そこで今回は、多くの管理組合と交流し、情報発信を続けておられる、マンションコミュニティ研究会代表の廣田信子氏をお招きし、最新のマンション管理動向のほか、現在の管理組合の課題・先進的事例などをうかがいます。

　超高層マンションには、特殊消火設備や中央監視装置など、一般的なマンションにはない設備が多数設置されており、築50年までの長期修繕計画では、設備関係が建築関係を大きく上回る修繕費が必要と試算されている場合があります。
管理組合に各設備の機能や修繕周期などを説明するために作成した「長期修繕項目説明シート」を使って、超高層マンションにはどんな設備が設置されているかを知って頂ければと思います。参考になれば幸いです。

　斜面に段状に建つマンション、各階セットバックして、各戸がルーフバルコニーを持ち、その一部は人工地盤で植栽されています。築31年目に1戸で漏水があり、応急補修。そこで、将来のルーフバルコニーの防水・植栽改修に向けて試験施工した記録です。
斜面地開発であり、将来は緑に覆われる姿をイメージしたのですが、樹木は建物と違って年々育ち、その変化は季節変化と共に、我が家を豊かな環境にしますが、樹木は生き物です、建物とは異なる考え方が必要になると同時に、人工地盤の防水は悩みます。

　生きるとは、何か…？　仕事とは、何か…？
建築家や建築士とは名乗って、建物等を扱うものの、最終的なターゲットは社会であって…？
マンション、商店街、地域活動のチーム。人も、コミュニティも、まちも十人十色。うまくいったり、いかなかったり。ときには、うまくいったように見えて、置いてきてしまったものがあったり。
これまでの業務や活動の蓄積から、全てに通ずる「基本的な部分」を改めて整理してみます。

　耐震補強工事は、見た目の悪さや莫大な費用がかかるといったイメージを持たれている事から、諦めている場合もあるかと思います。また、耐震診断後に検討した補強案が非現実的な補強方法のため、話が前に進まないケースもあります。進まないマンションの耐震化は、耐震の重要性と流れを理解することがはじめの一歩になります。耐震化対策を成功させたマンションの事例を交えて、業務の一助となる情報をお届けできればと思います。

　民間の分譲マンションは立地条件や劣化度合い、理事会の運営など、そのマンションに特化した特徴があります。そのため設計条件や工事計画を決める際の価値基準も千差万別です。この度、耐震化と大規模修繕を同時に実施したほぼ同年代の分譲マンションの実例３題を比較し、相違点や対応方法などをまとめましたので、ご紹介いたします。

　近年、外壁仕上材に磁器質タイルが使われる建物が多くあります。直近、係わった大規模修繕工事や耐震補強工事に於いて、特に外壁タイル修繕工事で苦労した建物の事例をご紹介します。古い建物から比較的新しいマンションまで、関わった事例をベースに、原因を見極め補修工法を選定する際の過程や、足場を掛けて初めてわかる劣化事象など、設計者が思い悩む問題を皆様にご紹介させて頂ければと存じます。

　築46年で風致地区にたたずむ3階建ての低層建物が4棟の分譲マンション。3回目の大規模修繕工事や屋上防水断熱改修などを担当してから長期修繕計画の見直しと4回目の大規模修繕工事の設計監理を依頼されました。
環境省や東京都の省エネ補助金を活用してサッシの更新に取り組みました。雁行タイプでサッシの数も種類も多く区分所有者のニーズ把握やカバー工法の課題などもご紹介いたします。